漢方と生薬
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- カテゴリ: 漢方の理論
漢方医術に於いては、漢方薬と呼ばれる飲み薬を処方して、医療を行なうのは御存じでしょう。実はこの漢方薬の元となるのが、生薬(しょうやく きぐすり)なのです。
この生薬は自然の中に存在し、何がしかの薬効成分を内包する性質があります。そして実際には生薬には、植物の葉や茎、実、根、花、樹皮等が、数多く利用されています。
更には生薬とは植物以外にも存在し、カルシウムやナトリウムを多量に内包する鉱石や動物の化石、角(つの)や甲羅(こうら)、皮、骨、貝殻等も利用されています。
そこで、以上の生薬を乾燥させた後、細かく粉砕したり挽いたり(ひいたり)し、これ等を配合する事によって漢方薬になるのです。
さて漢方薬を飲む際には、基本的には土瓶で煎じて薬液にします。ところがこの方法では、大変な手間がかかります。そこで現在では、煎じた薬液から抽出した薬効のエキスを凍結乾燥し、これを錠剤や顆粒に加工して、保存や携帯に便利に形成された製品が、広範囲に普及しています。
ところで漢方薬には原則的に、2種類以上の生薬が配合されている事は御存じでしょう。これを更に正確に表現しますと、実際には大部分の漢方薬に於いて、4種類以上の生薬が配合されているのです。まさにこの複数の生薬の組み合わせによる相乗効果こそが、西洋医学には存在しない漢方薬の一大特徴であると言えるのです。
更には、体質や病状の個人差に合わせて、生薬の配合が調整可能である面からも、漢方には至れり尽くせりの治療が期待されるのです。この場合、どの生薬を組み合わせるとどんな効果が現われるのか、更には配合の分量による副作用はどうなのか、これ等の処方箋は、果てしなく長い漢方の歴史の流れの中で、膨大な経験と研究によって体系化されて受け継がれています。
特に、無数の先祖の実際の体験に基づき、安全で効果的な生薬と配合だけが、現代の子孫に遺されて(のこされて)いるのです。この中には、無効などころか危険な生薬に当たって酷い目に遭った人々が、相当数存在したに違いありません。この方々が生命と引き換えに我々に遺して下さった尊い漢方薬なのですから、感謝しながら大切に使わせて頂きたいものです。