漢方と高齢者
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- カテゴリ: 漢方の実践
現在の我が国の高齢化社会は、今後一層の加速度的な進行が予測されます。そして近い将来高齢化社会を通り越し、正真正銘の高齢社会を迎える事実は、もはや疑う余地はないのです。因みに、高齢化社会と高齢社会に関しては、専門家は区別していますが、一般的な辞書等では混同されている様子です。
ところがこの社会情勢を背景とする医療に於いて、今脚光を浴びているのが漢方なのです。とかく高齢者の健康には個人差が大きく、元気に生活する人が存在するのに、一方では病気に罹っている人、寝たきりになっている人、実に様々です。その反面、高齢者の共通項としては、生理機能及び記憶力の低下が挙げられるのです。ともかく今後は個別に対応した治療が必要となり、その一環として今漢方が見直される過程にあるのです。
何故なら高齢者には、複数の病気を併せ持つ人が数多く存在するからです。この類の高齢者が西洋医学だけの病院を受診する場合には、それこそ内科、眼下、整形外科等、複数の科を巡回して、診察や治療を受ける必要に迫られます、これでは患者は何回も検査や治療を受ける羽目になり、その肉体的、精神的、経済的な負担には、想像以上の過酷さが伴うからです。
特に、多数の病気を持つと、必然的に薬剤の数は多くなります。然しながら、高齢者は若者とは異なり、薬物に対する代謝機能が低下している為、特に身体的には不安な現実があります。
ところがこの点、漢方に於いては、事情は全く異なります。何故ならここで処方される漢方薬には、既に複数の生薬が配合されているからです。これ等の生薬が体内で多様な働きをするが故に、何と一種類の薬だけで複合的な症状への効果が期待出来るからです。
更には漢方の生薬の場合、本来自然界に存在する物質から生成されています。それ故、高齢者の体にかかる負担が、最小限で済むのが何よりも安心です。更には、最終的に薬剤が一種類で済む為、或る意味合理性に富んでいるのです。
但し、如何に漢方に幾多の優れた部分があるとは言え、優れた頭脳が結集した西洋医学の存在がなければ、現在迄の医学の発展は有り得なかったのです。従って今後は、この両者の医療が相互に補完し合い、高齢社会を支える医療体制が待たれているのです。